非水溶性PFAS

電池に使われる非水溶性PFAS

リチウムイオン電池は充電によって繰り返し使える二次電池で、長寿命・小型・軽量という特徴を持ちます。スマホやノートPC等の電子機器、電気自動車、産業用ロボットの他、コードレスで使える様々な機器類にも使われています。そんなリチウムイオン電池の中にも非水溶性PFASが使われています。

まずバインダーとして、フッ素樹脂の一種であるPVDFが使われています。バインダーとして使うには、以下の6つの性質を併せ持つ材料が好ましい様です。

1.機械的強度 2.金属等との接着性 3.化学的安定性 4.電気化学的安定性 5.溶剤溶解性 6.電解液膨潤性

PVDFは、化学的安定性が高いフッ素樹脂でありながら、パーフルオロ系樹脂には無い特徴である溶解性や接着性も併せ持つ特徴的な材料であり、上記6つの性質を満たしています。

また、電解液の添加剤としてもフッ素化エチレンカーボネート類が使用されます。

ABOUT ME
神原 將
お茶の水女子大学・URA。有機フッ素化合物の研究を支援し、実用化を目指して活動中。水溶性PFAS問題について化学者の視点から発信します。 PFASに関する講演、ご相談を受け付けています。大阪大学大学院・工学研究科・応用化学専攻(修士卒)→ダイキン工業・研究員→お茶の水女子大学・研究員を経て現職。