規制済&水溶性PFAS

PFOAの毒性

ここでは、アメリカの弁護士ロバート・ビロット氏による著書「毒の水 PFAS汚染に立ち向かったある弁護士の20年」より、PFOA(C8カルボン酸)の毒性を示したデータと、毒性があることが心配された事象を列記します。

1.科学パネルにより示されたPFOA暴露とほぼ確実に関連する疾患(2012年7月)p.339

腎臓がん、睾丸がん、潰瘍性大腸炎、甲状腺疾患、高コレステロール、妊娠高血圧症

2.毒性学者ゲリー・ケネディによるメール?(1999年10月)p.93

「6か月の実験の末期に、六頭のサルのうち4頭が「苦しみ」、肝臓がやられていた。高投与と低投与の各一頭が死んだ。」

3.3Mのラット実験(1981年後半)p.208

「妊娠したラットに胃挿管でPFOAを食べさせた。ラットは出産前に解剖され、胎児は詳しく調べられた。共通した問題は目の異常だった。」

4.デュポン疫学専門家のウィリアム・フェアウェザー博士の調査(1981年?)p.209

「デュポンは最近出産した七名の従業員の血液データを集め、出生記録を検討した。全員がPFOAの血中濃度が高かった。七人の出生時のうち二名に出産時の障害が見られた。両方とも目の障害だった。フェアウェザー博士は研究概要で、一般に目の先天異常の発症率は一千分の二と明言していた。同社の場合、たった七件中二件の発症だった。」

5.デュポンによるラット実験で判明した発がん性(1988年、1993年)p.210

「PFOAがラットに睾丸(ライディッヒ細胞)腫瘍を引き起こすことがわかった。~(中略
)~ 二回目の二度目のラット実験で、PFOAが睾丸腫瘍だけでなく肝臓と膵臓の腫瘍を生じさせると判明した。」

6.デュポン工場近く?の農場での牛の死(1996年頃?)p.14

「二年たたないうちに、少なくとも子牛100頭、雌牛50頭を失った。」

まだ記載があったかもしれませんが取り急ぎ。

ABOUT ME
神原 將
お茶の水女子大学・URA。有機フッ素化合物の研究を支援し、実用化を目指して活動中。水溶性PFAS問題について化学者の視点から発信します。 PFASに関する講演、ご相談を受け付けています。大阪大学大学院・工学研究科・応用化学専攻(修士卒)→ダイキン工業・研究員→お茶の水女子大学・研究員を経て現職。
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