非水溶性PFAS

冷凍装置・エアコンでの活用例(非水溶性PFAS)

冷凍装置やエアコンには冷媒というガスが使われています。このガスとして非水溶性PFASが広く普及しています。具体的には、R-32, R-125, R-134a, HFO-1234yf等が使われています。

ではなぜ、フッ素原子を含んだPFAS系の冷媒が使われるのでしょうか?確かにプロパンやアンモニ等のフッ素を含まないガスも冷媒として機能します。ですが、プロパンは燃えやすく、アンモニアは急性毒性が高く腐食性もあります。一方でPFAS系の冷媒は、燃えにくく急性毒性が低いため安全面で優秀と言えます。PFASはフォーエバー・ケミカルとも呼ばれますが、その性質が良い意味でいかされているわけです。

なお、かつての冷媒には塩素原子も含まれていたことで、オゾン層破壊に影響してしまうことが分かりました。そこで置き換えが進み、現在使用されている代替フロンというPFAS系冷媒には塩素原子は含まれておらず、オゾン層破壊の悪影響は無くなりました。しかし、代替フロンであっても強力な地球温暖化効果は持っています。ですので、PFAS系冷媒は大気に放出してはダメで、回収・再生・破壊を適切に行う必要があります。便利さと環境保全を高いレベルで両立するためには、人間は適切に化学物質を取り扱っていく必要があります。

ABOUT ME
神原 將
お茶の水女子大学・URA。有機フッ素化合物の研究を支援し、実用化を目指して活動中。水溶性PFAS問題について化学者の視点から発信します。 PFASに関する講演、ご相談を受け付けています。大阪大学大学院・工学研究科・応用化学専攻(修士卒)→ダイキン工業・研究員→お茶の水女子大学・研究員を経て現職。
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